事業の目的
30歳になった女性の中には、将来の人生設計の中に妊娠・出産を考えられている方も多いのではないでしょうか。
コンセプション(Conception)とは受胎、つまりおなかの中に新しい命を授かることです。 プレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来の妊娠、出産、育児を考えることをきっかけとして、一人の女性が、自分の生活や健康に向き合うことです。
このことにより若い世代の女性が、健康に大切な知識や生活習慣を身に付け、良好な妊娠、出産を成し遂げ、自分の子どもたちを健全に育成すること、そしてその女性自身が更年期、老年期を通して、健康的で充実した一生を送ることを目的とします。
実施内容
令和3年7月から30歳を迎える福岡市民の女性に対して、福岡市からクーポン券が郵送されます。そのクーポン券をお持ちになり、認定された登録医療機関を受診して頂きます。
そして採血させて頂き、妊娠する力(妊孕性)の目安になるAMH(抗ミュラー管ホルモン)を測定いたします。後日再受診して頂き、医師によるAMH値の検査結果の説明いたします。また妊娠、出産を想定し、食事や体重、睡眠、運動、服装、病気のチェック、心のコントロールといった、健康に大切な知識や生活習慣に関するアドバイスを行います。
この事業には、将来の妊娠を考えている女性はもちろん、妊娠を希望されていない女性にも意義があります。思春期から性成熟期(12歳から35歳程度)のからだの状態は、必ず更年期とそれに続く老年期の健康状態に影響を及ぼします。プレコンセプションケアをきっかけとして、若いうちに健康増進に必要な、知識や生活習慣を身に付け、実践していくことは、妊娠、出産に関係するだけではなく、自身の健康的な一生をおくるための大事な問題なのです。
プレコンセプションケアのための費用の助成は、政令市では初めての取り組みです。クーポン券をお持ちの方は、是非、これを機会に、この事業をご利用され、自分のからだと向き合うことをお勧めします。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)の測定意義について
AMH値は卵巣の予備能を表す指標の一つです。卵巣内に残存する卵子(卵細胞数)とほぼ相関すると考えられています。AMH値のみで、自然妊娠や不妊治療における妊娠率の予測は難しいとされていますが、妊娠する力(妊孕性)を予測する大事な目安の一つと考えられています。